MLBチーム名の語尾が「ズ」から「ス」に変換される問題

オモシロ英語

NHK-BSの「ワースポ×MLB」を良く見てるのですが、いつも気になってることがあります。

それは北米メジャーリーグ(MLB)の全てのチーム名の語尾に “s” または “x” が付くのですが、一部のチーム名の語尾をアメリカ英語では「ズ」(/z/)と発音するにも関わらず、日本語でのカタカナ表記でなぜか「ス」(/s/)に変換されてしまうことです。

一昔前は松井秀喜選手やイチロー選手の活躍、最近は田中将大選手の活躍で耳にした「ヤンキース」は本当は「ヤンキーズ」、ここ数年は大谷翔平選手の活躍で耳にすることが多い「エンゼルス」は「エンジェルズ」と言い直したくなるのです。

9チームが「ズ」から「ス」に変換されてる

そこでMLBのチーム名のどれぐらいがカタカナに変換されたときに「ズ」が「ス」になってしまっているかを調べてみました。

今回は全30チームをリーグや地区を分けず、都市名なども省いてアルファベット順に並べてみました。

ちなみに英語発音の列には、そのままカタカナを読むと実際の英語の発音に近いものを記入してみました。 沖縄の昔の人が「ツナ」を「トゥーナー」と呼ぶのに近い感覚です。

冗談抜きでそのまま読めば大半のアメリカ人には通じると思います。

  英語名 カタカナ表記 実際の発音
ス変換 Angels エンゼルス エインジァオ
無変換 Astros アストロズ エストローズ
 – Athletics アスレチックス エスレティックス
無変換 Blue Jays ブルージェイズ ブルージェイズ
ス変換 Braves ブレーブス ブレイヴ
無変換 Brewers ブリュワーズ ブルワーズ
ス変換 Cardinals カージナルス カーディノー
ス変換 Cubs カブス カブ
 – Diamondbacks ダイアモンドバックス ダイメンベークス
ス変換 Dodgers ドジャース ダジュー
 – Giants ジャイアンツ ジャイエンツ
ス変換
無変換
Indians
Guardians
インディアンス
ガーディアンズ
インディエン
ガーディエンズ
無変換 Marlins マーリンズ マールンズ
 – Mets メッツ メッツ
無変換 Nationals ナショナルズ ナシェノーズ
無変換 Orioles オリオールズ アーリオゥズ
Padres パドレス パージュレイ
無変換 Phillies フィリーズ フィリーズ
 – Pirates パイレーツ パイルッツ
ス変換 Rangers レンジャース レインジャー
無変換 Rays レイズ レイズ
 – Red Sox レッドソックス レドソークス
無変換 Reds レッズ レッズ
無変換 Rockies ロッキーズ ロォキーズ
無変換 Royals ロイアルズ ロイエルズ
ス変換 Tigers タイガース タイガー
無変換 Twins ツインズ トゥインズ
 – White Sox ホワイトソックス ワイツォークス
ス変換 Yankees ヤンキース ヤンキー
無変換 Mariners マリナーズ マルナーズ

9チーム10チームが本当なら「ズ」で終わるはずのチーム名が「ス」に変換されていて、なぜか統一感なく「ス」に変換されてないチーム名が13チームありました。

また9チーム10チームの中で「パドレス」だけ△にしたのは、”Padres”はスペイン語の言葉でスペイン語発音なら正しいから。

一般的なアメリカのMLB放送では「パージュレイズ」って発音してますけど(笑)

また、実は日本のプロ野球(NPB)にも同じように語尾が「ス」になってしまっているチーム名が2つもあります。

それは「阪神タイガース」と「楽天イーグルス」です。
しかしこの2チームは英語と認識していないのか、外来語として認識してしまっているのか今まであまり気になってませんでした。

語尾のsをスと発音する言葉のルール

一応ここで、英語で複数形にしたときの語尾に “s” が付いたときに「ス」と濁らない発音になる場合のルールに触れておきます。

語尾が 「f」「p」「k」「th」の単語に”s”を付ける場合は「ス」の発音、以下が例になります。

「f」(発音が同じ”ph”/”gh”含む)の場合: chiefs(チーフス) graphs(グラーフス) laughs(ラーフス)
「p」の場合: cups(カプス) shapes(シェイプス)
「k」(発音が同じ”c”含む)の場合: books(ブックス) makes(メイクス) dynamics(ダイナァミクス)
「th」(θ発音の場合のみ)の場合: maths (マァトゥス)  paths(パァトゥス) ←カタカナでは表現難しい!

※カタカナは実際の英語発音に近いものを記入。 一部のネイティブの説明では「t」 も含まれるとされていますが、カタカナ表記では「ツ」になる発音なので含めませんでした。

なぜこうなってしまった?

この「ス」に変換されるチーム名が日本に定着した理由を探ってみたのですが、ネット上を調べた限りは、はっきりとした情報は見つかりませんでした。

考えられる要因としては次の2つではないかと推測します。

  • 最初にカタカナ化した人が間違えた説
  • 日本人に教えた人の英語が訛っていた説

実際に先日とあるネット記事で”wilderness”という単語を「ワイルダーネス」と表記されているのを見かけましたが、正しくは「ウィルダーネス」です。(※後に訂正されました)

カタカナ化する時に間違ったという説が有力な様ですが、それだとココで話が終わってしまって面白くありません。

日本人に教えた人の英語が訛っていた説というのを少し掘り下げてみたいと思います。

アメリカには「ズ」が「ス」になってしまう訛りがある

実はアメリカには、語尾の”s”が本当は「ズ」のところ「ス」と発音する訛りが存在します。

Chicago accent(シカゴ・アクセント)と呼ばれる、文字通りイリノイ州のシカゴ周辺で話されている訛りです。

いくつか動画を紹介しますが、彼らは地元のアメフト、バスケ、野球チームを以下の様に呼んだりします。

  呼称 カタカナ表記 シカゴ訛りの発音
ス変換 The Bears ザ・ベアーズ ダー・ベァルス
ス変換 The Bulls ザ・ブルズ ダー・ボ
ス変換 The Cubs ザ・カブズ ダー・カブス

コチラはSNLというコメディ番組の“Bill Swerski’s Superfans”というシカゴのスポーツファンのステレオタイプをキャラ設定していて、かなり誇張されてます(笑)。

地元シカゴのスポーツファンの間ではちょっとした笑いのネタになってたりします。
実際に最近はこういう訛りのある人はごく一部です。

訛りの特徴として「ズ」が「ス」の発音になる以外にも、“th”(ð発音の方)が”d”に変わってしまったりします。

”the”が”da”に、”there”が”dare”に、”this”が”dis”に、”that”が”dat”に、という具合です。

最後に紹介したいのは、終始シカゴ・アクセントで喋りながらアクセントの解説をしてる動画です。
シカゴだけでなく、五大湖沿岸や中西部にも同じアクセントが散見されるとのことです。

もしかするとMLBのチーム名を、このタイプのアクセントの人から聞き取って日本語化したのかもしれないと想像してみたのです。

でも、もしそうだとすると「ス」に変換されてない13チーム、例えばPhilliesが「フィリース」になってない理由が説明できません。

まとめ

結局なぜこうなったのかも掴めず、全然まとまらないのですが、いずれにしろチーム名の語尾の「ス」が「ズ」に変換される問題は、何だか定着してしまっているし、誰も直すこともなさそうだから、きっとこれからもこのままなのでしょう。

でも、やはり聞くたびに気になるんですよね。私だけではないハズ。

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